零細農家、小規模農家が生き残り続ける理由については、当事者たちからも声が出た。藤松さんは「確かに政治としては小規模農家の数が多い方がいい。結局、票田になっている」と、政治活動や選挙に直結するものだから、効率化が進まないという。さらに企業の参入についても「私の近所の話になるが、大手スーパーの会社が、廃業になった酪農家を買い取って、自社の牛乳を生産したが1年で辞めた。全くコストが合わなかったからだ。会社が入ると、ビジネスだから儲かることしかやらない」と、“食を守る”という観点がなく、利益を追求した場合に起こったケースを紹介した。
所得補償が認められれば努力していても苦しい農業従事者が救われるかもしれないが、一方で本来であれば撤退していくだろう零細、小規模農家が生きながらえてしまうことも招く。また政治家も、自身の票のために効率化を推進しようとしない。ただし業界全体としては、1つ1つの農家を大規模化し、効率を高めて生き残る道を模索するしかない。ジレンマに陥る中「令和の百姓一揆」の声は、どのような形で国や市民に届くのか。
(『ABEMA Prime』より)

