■東京で勤めたまま群馬に移住する人も増加
認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの移住希望地ランキング(窓口相談)によると、2024年の1位は群馬県だった。2020年の10位から大幅アップとなる。なお2位以下は静岡県、栃木県、長野県、福岡県と続いている。実際の移住者数も、2019年度の962人から、2023年度には1479人まで増加した。
なぜ群馬移住が人気なのか。最初の魅力は「物価が安い」ことだ。物価水準が全国3番目に低い(出典:総務省)。また、住宅購入・家賃が安いことに加え、自然災害の少なさもある。過去100年、震度4以上の地震が関東で最も少なく、東京の574回に比べ、群馬は77回だ(出典:気象庁)。そして、交通アクセスも充実している。
山本知事は「就任前は、どんな指標でも群馬県が1位になることは少なかった。県民のプライドが高まっている」と喜ぶ。「コロナでテレワークが増え、地方の価値が再評価された。群馬は東京にも近く、“転職なき移住”ができる。自然や温泉、物価の安さがあり、子育て政策も手厚く、働き盛りに対する移住戦略がうまく行った」。
ベッドタウン的な位置づけも、県として歓迎している。「週末を群馬県で過ごせば、税収も増え、地域コミュニティーの担い手も増える」。物価の安さは、賃金と比例しているのではとの指摘もあるが、「群馬県は車社会で、大規模商業施設の経済圏が広いため、競争が起きやすい。農畜産物も採りやすく、総合的に安くなる」と反論する。
■転職なき移住をした人の声
