■交通事故数、近年は横ばいに
交通事故の発生件数は、2004年に95万2720件を数えたが、2023年には30万7930件。約20年で3分の1にまで減った。自動車に最新技術などが搭載された影響もあるが、2020年から2023年までの4年間は横ばいになっている。年齢階層別に交通事故の発生件数率(10万人当たり)を見ると、16歳~19歳が1025.3人と最も高く、次いで20~24歳の589.5人、そして3番目に85歳以上の519.9人となっている。
安全医工学を専門とする山梨大学教授の伊藤安海氏は、連日メディアで取り上げられる高齢ドライバーの事故について「認知症が危ないと言われがちだが、他の病気の方がリスクがある。たとえば高齢者のてんかんは、短時間でパッと記憶や意識が戻るので、本人も周りも気がつかない。年齢に限らず事故は起きている。高齢者でも病気、能力の低下、もともと(運転の)適正がない人もいる。能力が下がった方、病気の方に、運転をやめていただく全体の制度が必要だ」と訴えた。
パックンも、高齢者だけの問題だと切り出さず、各世代で起きていることだと冷静に受け止める必要性を説いた。「心理学的に言うと、ニュースを毎日見ていると、すぐ想像できるようになって、本当の確率よりすごく高い確率で(事故が)起きそうな気分になる。高齢者になっても、急に事故率が10倍、20倍と上がるわけでもない。若い世代が飛ばしすぎたり、中年代の人が飲酒運転したり、いろいろなところで判断ミスや危ない運転が繰り返されて、死亡事故が起きている」。
■免許を返納させても事故が減らない?
