都内近郊のアパートで一人暮らしをする小川さん(仮名、22歳女性)。かつて医療事務の会社で働くも、人間関係のストレスから体調不良を繰り返すようになった。「仕事が終わって家に帰ってくると、発狂する。ストレスで体調を崩してしまって。職場から実家に帰ったほうがいいのではと退職を勧められ、退職した」。
うつ病など、精神障害の診断を受けた(3級手帳)。「手とか足が気怠さで感覚がなくなって、どうやって動かしていいかわからなくなって。食事はお腹がすくけど、動けない時は食べない。三日食べないことがあった」という。
交際相手の手助けがないと生活もままならず、1年半前から生活保護に頼るように(月に12〜13万円)。その一方で、いたたまれない思いもある。2024年度に支給された生活保護費の総額は3兆7000億円。その金額の大きさからか、ネットには「みんな本当に助けが必要なの?審査がゆるいのでは?」「生活保護は甘えだと思う。誰だって働くのは大変だし」など、多くの批判の声が上がっている。
バッシングに対して小川さんは、「自分で働いたお金ではなくて、誰かが稼いだ一部を集めていただいている。すごく悪く言えば、寄生虫みたいなことをしているのかなと」「『働けよ』という批判の声はすごく刺さる。『自分は実は働けるのに、働いていないのでは』と思えてくる。引け目を感じるし、抜けなくてはいけないという気持ちを絶対に忘れてはいけない」と語る。
しかし、心身の好不調の波が繰り返すなど労働意欲の維持が難しい状況で、抜け出すためにはサポートがほしいとの思いもある。「生活保護に入ってから障害者雇用で仕事探しをしたが、どうしても身体障害の方が優先的に決まり、精神障害の人は落とされることが多い。障害の中でも差別を感じることがある」。
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