この一戦に向けて、大夢は「黒川選手が自分のベルトを懸けて戦ってくれるので、僕もそれに応えて、フライ級のベルトを懸けて負けたら返上するつもりでいます。自分も男として腹をくくって、しっかりKrushを体現する試合をして2階級王者になります」と語り、退路を断つ覚悟を明言。実際に試合前にはフライ級王座を返上し、自らを追い込んだ状態で異例の階級越えの王者対決に臨んだ。
別階級の現役王者同士が激突するこの注目カード。1ラウンドから大夢はノーモーションから放たれるトリッキーな動きとプレッシャーで攻撃を仕掛けた。カーフキックやジャブで黒川を削り、右ストレートもヒット。軽量級ならではのスピードを武器に、序盤は挑戦者が試合の主導権を握った。
鼻血を見せるなど被弾が目立った黒川は、初防衛戦のプレッシャーもあり、やや硬さが見られたが、2ラウンドに入ると反撃を開始。大夢の前進に合わせた右フックがラウンド終了間際に炸裂し、ダウンを奪った。手数では圧倒的に大夢だったが、打ち合いの中で一発をもらい、尻もちをついてダウン判定されると、ファンからは「一発もらった」「もったいない」といった声も上がった。この一撃が、試合の流れを一気に変えていく。
戦慄の左ストレートを一閃

