■補助金・助成金の必要性は?
補助金・助成金の必要性は、経済学者の竹中平蔵氏も認めるところだ。「補助金・助成金には3種類ある。1つは困っている人を助ける救助型。2番目は本当は民間でやればいいが、これを早めたいもの。デジタル化やDX化を早く進めるために補助、刺激するようなものだ。それともう1つが、パブリックセクターでやってほしいが、手が回らずに民間がやっているもの。まさにたかまつさんがやっているような主権者教育もそうだ」。
その中で、どうしてもうまく回るもの、回らないものが出てきている点を指摘する。「最初の救助型も、ゾンビ化してずっともらい続けていることもある。2番目も、一部の業界団体がものすごい圧力をかけてもらっているものも、中にはある。3番目については、本当は寄付が認められればいいが、日本では認められていない。セカンドベストとしての補助金、助成金だ。悪いイメージを持っている人はいると思うが、もっと早く出してくれないと困るものもある。能登(地震)の話なんかは、まさにそうだ。一部が批判され、確かに悪い意味で広がっているが、必要なものがあるし、もっと増やさなければいけない補助金もあるのが現実だ」。
ただし受給する側には、手続きの複雑さという壁もある。ハヤカワ五味氏も以前、自身が経営する会社のために申請をしようとしたが、その複雑さに困惑した。「大変すぎて『もう、いいや』となった。『もらえる。やった!』みたいにイメージされる方が多いような気がするが、実際には相見積もりを取って、請求書や領収書を出して、事業計画を出してと結構大変で、思われている実態と違う」。また、補助金・助成金に対していいイメージを持たない人たちも「恩恵を受けているのは、雇用されている人たちだったりもするので、一切の関与なく過ごされている方も少ないのでは」と述べた。
■受給するべき人が自らの首を締めるケースも
