■受給するべき人が自らの首を締めるケースも
EXIT兼近大樹も、補助金・助成金に対して負の感情を持つ人々が、結果的に自分たちの首を締めることにつながると考えた。「苦しいから俺にも手を差し伸べてくれよという人たちが、もしかしたら(支給する側を)攻撃している可能性がある。それは結局、回り回って自分の首を絞めている。手を差し伸べられる側なのに、差し伸べてくれている人を攻撃しているので、繋がりが全部切れて回らなくなる」。兼近が問題としてあげているのは理解度だ。「これは知ることがすごく重要。1人1人が何をやっているか、どういうものがあるかを知らないからこそ攻撃できてしまう。これは完全に知的格差。自分も助成金や補助金に『ふざけんなよ、俺によこせよ』と思っていたので、そっち側からするとやっていることが全部きな臭く見えている。でも今はいろいろなことを知って『俺はこうやって助かっている』ということが繋がった。ちょっとずつ理解ができた。(知識の)格差がとてもあることを、上の層の人たちには知っておいてほしい」と訴えた。
これには竹中氏が、あえて複雑さを残している人々の存在を語った。「上の方の人が今の複雑な制度をむしろ利用している。私も30年、政策の勉強をしているが、こんな補助金があったのかというのは、ごまんとある。しかし政治家はものすごく勉強している。その補助金によって、ある意味で口利きの利権を得ているので、政治家はむしろ複雑なままでいいと思っている人はたくさんいる」。
本来、受給してもいい人々からもよいイメージを持たれず、結果として一部の人が受給し、それに対して負の感情が膨らむというスパイラルは、どうすれば断ち切れるか。EXITりんたろー。は「正直者が馬鹿を見てはダメだと思う。本来助けられる、手を差し伸べられる側の人たちが、助けてくれる人を責めていることが起きてはいけない。やはり正しく知ること、発信していくことから始めないといけない」と語った。また兼近も「公平ではないと思ってしまう人たちがたくさんいることを理解した上で、行動を発信していかないと」と、補助金・助成金が支給された“その先”の情報が広く知られることを求めていた。
(『ABEMA Prime』より)


