■教師に求められるものとは

金八先生は必要?不必要?
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 西岡氏は、金八先生が「家庭の問題には踏み込んでいい。それをしないと学校の教育が成り立たない」と語ったワンシーンを説明する。「令和の時代では、不登校やヤングケアラーのように、踏み込まないと解決できない問題も増えている。官僚主義的な教師で解決できない問題は多い」。

 高橋氏によると、教育現場では「踏み込まれたくない保護者も、『来てほしい』という保護者もいる。全く踏み込まない学校はないと思う。生徒や過程の観察から、先生たちの動きを決めている」という。「情熱は必要だ。チーム担任制を導入しても、失敗して撤回する学校がある。それは全員が『自分は副担任だから楽できる』と、情熱を失ってしまうから。価値観が多様化するなかで、情熱を持った先生がチームになって学年を見る意識が必要だ」。

 経済学者の竹中平蔵氏は、アメリカの教育学者、ウィリアム・ウォード氏の名言に触れる。「普通の先生は普通に教える。良い先生は自分でやってみせる。最も良い先生は、生徒の心に火を付ける」。加えて、イギリスの哲学者であるハーバート・スペンサー氏の「教育は知識を伝えることではなく、行動を起こさせることだ」といった言葉も借りる。

 これらを引用しつつ、「金八先生のような教師がいた方がいい場合もあれば、そんな先生ばかりでもダメだ。冷静に考えて、ちょっとした言葉をかける先生のように、多様性が必要だ」との持論を述べる。

■教師も多様性の時代
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