■「(トレーニングで)声は何とでも変えられる」
自分が聞いている声と、ビデオなどで聞く自分の声が違うメカニズムは何か。「声・脳・教育研究所」代表の山﨑広子氏は「人の声を聞いた時は、空気を伝ってくる音だけを聞くわけだ。それに対して、自分で声を出している時には、口から出てそれで空気を伝わって、耳から入る空気伝導音。それと頭蓋骨や体を通した内部伝導。これを骨伝導音というが、それが合わさった音を聞いているということだ。骨伝導は低めの周波数がよく通る」。
また、「録音した声を聞くときなど、マイクは空気中の音だけを拾って、スピーカーから流す。だから骨伝導の効果がない状態で再生される。だから普段感じる自分の声と異なる」と説明した。
声に惚れるということは実際に起こり得ることなのか。山崎氏は「すごく起こる。逆にすごくいい人だし、非の打ち所がないが、声だけが嫌いという場合は大抵うまくいかない」と答える。
しかし、トレーニングで「声は何とでも変えられる」といい、「声帯に声を出す楽器みたいなものがあると思っている方が多いが、実際はそうではない。声帯はブーッという小さなブザーみたいな音を出すだけだ。それぞれの声にするのは、声帯より上の空間、共鳴腔、咽頭腔、口、鼻腔であったり、そういう空間なのだ。そこの空間の形をちょっと変える、その共鳴をちょっと変えるだけで、声なんていかようにでも変えられる」。
■日本人が自分の声を嫌いなワケ
