■引き取り手なしの遺体…自治体の対応は?

須貝秀昭氏
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 引き取り手なしの遺体については、墓地埋葬法により死亡地の市町村が、火葬・埋葬を行うことになっている。自治体は遺体を引き取り、相続人や親族を探し、火葬や埋葬をする際には「自治体が持つ合同墓に埋葬する」「役所が寺院に頼んで埋葬する」などの対応を行う。しかし、保管期間や親族を探す手順、どう火葬・埋葬するかなど、統一の決まりはない。

 身寄りがない人を支援する団体「身寄りなし問題研究会」の須貝秀昭氏は、「勝手に火葬すると、親族が出てきたときにクレームになる。まずドライアイスで保管して、その間に親族を探すが、戸籍を元に郵送で確認するため、レスポンスが遅かったり、なかったりする」と説明する。

 時代の変化によって、「昔は電話帳で調べやすかったが、いまは電話番号の情報がなかなか得られない。亡くなった人のスマホに情報は入っているはずだが、当然ロックがかかっていて見られない」という。

■身寄りがいないヤマナシさん(38)
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