■身寄りがいないヤマナシさん(38)

ヤマナシさん
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 ヤマナシさん(38)には現在、身寄りがない。出生時に両親が離婚し、母の記憶はなかった。父に引き取られ伯母のもとで育つが、10歳時に父が死去、32歳時に伯母も死去したため、親族がいなくなった。お盆や年末年始になると孤独を痛感し不安になり、保証人などが必要な際に頼れる人もいない。

 生まれは北海道の札幌だ。「おそらく僕が生まれた時点で離婚していて、実の母親を見たことがない。父は埼玉県の浦和に住んでいたため、札幌にいた父の姉に育ててもらった。その姉も亡くして、1人になってしまった」。

 孤独を感じるときは、「お盆や年末年始、皆さんが実家に帰るときだ。『あーあ、自分は1人なんだな』って思い知らされる」と明かす。結婚については「天涯孤独の脱出になるかもしれないが、そのために結婚しようとは思っていない」。

 そうした境遇から立ち上げたのが、「天狐コミュニティCLUB」だ。天涯孤独者同士で意見交換や情報交換などを行い、仲間を作ることが目的で、毎回10人ほどが参加している。対象は家族や親族などがいない人で、児童養護施設スタッフなども参加できる。年齢は20歳以上、参加費は1000円〜で、東京・札幌を中心に、オンライン交流も定期開催している。

 交流会が開かれるようになった経緯は、「元々、札幌でメンタルに悩みや不安を抱える人が集まる自助会を開いていた。それがある程度盛り上がり、今度は天涯孤独の人をターゲットにした」そうだ。

 どのような交流がされるのか。「普通に生活していたら、同じ境遇の人と出会うことはまずない。また、なかなか人に言わない、クローズな内容でもある。そこで、同じ者同士が集まって話をするのがコンセプトだ」。お墓をどうするかなど死後の不安について話に「なるときはある」ものの、「私を含めて、皆さん答えは見つけていない」と語る。

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