■“身寄りなし”で起こる主な問題

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 “身寄りなし”では、いろいろと問題が起こる。居住(賃貸住宅など)では「借りる時に保証人がいない」「審査が通らない」、金の管理では「認知症・事故等で入院時に、金の場所・銀行等引き出せない」などの可能性がある。医療同意(治療や入院等)でも「本人の同意が得られない場合、家族等の同意が必要」といった懸念があり、死後対応も「遺体の引き取りや火葬・埋葬」を考える必要がある。

 須貝氏によると、医療機関をたらい回しにされることもあるという。「救急時に身元保証人がいないと、搬送が後まわしになることがある。身寄りがない人が運び込まれると、退院時に誰も迎えに来ない。救急外来も最低限の人数でやっている。看護師がつきっきりになると、次の救急車を断らないといけなくなる事情もあるらしい」。

 病院は訴訟リスクも警戒しているのではないかと、須貝氏は予測する。「医師は親族に医療の同意を求める。過剰なリスクマネジメントでもあるが、それが慣習化されている」。

 2050年には、単身世帯が4割になるという推計もある。2020年からの比較では、単身世帯は38.0%から44.3%へ。夫婦と子世帯は25.2%から21.5%へ。夫婦のみ世帯は20.1%から18.9%へ。高齢者単身世帯は13.2%から20.6%へ。ひとり親世帯は9.0%から9.2%へと変化する。※総務省統計局「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和6年推計)」

 須貝氏は「日本人は死をタブー視するところがあり、なかなか自分で備える時代にはなっていない。その空気感を変えなければいけない」と指摘する。「お金がある人であれば、民間の身元保証会社を使って解決できる。そうでない人はコミュニティーが大切になるが、かつての“隣組”のような時代ではないため、新たなコミュニティーづくりが大切だろう」。

(『ABEMA Prime』より)

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