最大のターゲットは“中国”

第一生命経済研究の首席エコノミスト・永濱利廣氏
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 また、最大のターゲットは“中国”だと永濱氏はいう。

「アメリカからすると最大のターゲットは中国。ただ、中国は東南アジアとかに工場を作って輸出しているので、以前あったような中国だけに関税かけても影響が少ないから全世界にかけている」

 関税の影響はどれくらいから生活に響いてくるのか。永濱氏は「早ければ夏場ぐらい。ただ、いい影響のほうが先に出る可能性がある」という。

「世界中の国がアメリカに輸出をしにくくなる。そうすると当然、世界経済は悪くなる。ドルが下がって、円高が進む。原油価格も下がるので、輸送コストも安くなる。あとは、アメリカに輸出しにくくなったものが、安い値段で日本に入ってくる。例えば中国が日本からの海産品の輸入をストップしたとき、日本の海産品が輸出できなくて、価格が下がって安く買えた。そういう影響が先に出ると思う」

「ただ、遅れて来年の春闘。ここでかなり悪影響が出て、これまで順調に来た賃上げが、おそらくこのままいくと来年はストップしてしまう可能性がある」

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