株やNISAなどを持っている人はもう打撃を受けている
━━トランプ関税に加え、中国の“報復関税”の影響も大きかったのか?
「そうだ。相互関税が発表された時も日経平均は下がった。『各国のこういった流れが相次ぐと、ますます景気が後退していくのではないか』というような懸念が強まったということだと思う」
━━市場関係者からはどんな声が上がっているか?
「市場関係者は先週のアメリカ市場を見て、日本市場も大幅に下げてくるだろう、という予想はしていた。また、これだけ日経平均が下がると、株を持っている人たちは『これだけ下がったのだから売らないと、もしかしたらすごく損をしてしまうかも』というような心情が働いたことによる“パニック売り”も相互関税の影響とは別に出てきており、これほどの下げにつながってるいると話をしていた」
━━8日以降どうなるのか?
「『先週と今日で下がったんだったら…』などの考えをされる方もいたと思うが、8日以降も下がる可能性はあると市場関係者も話している。『中国以外の国も報復措置を取ることになると、3万円を切ってくるのでは…』と話す方もいる。また、まだ詳細が出ていない半導体や他のものにも関税がかかってくると、これもまた景気後退への懸念が強まるので、日本市場も打撃が出てくるかと思う」
━━トランプ大統領は『今は耐え抜く時だ』など、まだ姿勢は変えない様子だが。
「その通りだ。トランプ大統領の一次政権時はアメリカの株価に影響が出てくると、発言を変えたり修正したりということがあったが、今回はずっと強硬姿勢を貫いている。一方で『最近の株価の暴落を見て、トランプ大統領の姿勢が和らいだりすると打撃を受けている日本株も少し落ち着くのでは』という見方をする市場関係者もいる」
━━少し円高に振れているようだが。
「リスク回避の動きからドルが非常に売られて、その代わりの円高だ。関係があると思う」
━━今回の株価の動きで私たちの生活はどうなるのか?
「株やNISAなどの金融商品を持っている人は資産価値が減るので打撃はもう出ていると思う。ただ、株を持っていない人は直接的な影響はないと考える市場関係者もいるが、今後4月後半から決算発表が増えてくる時期だ。そこでトランプ関税の影響を織り込んで来年以降の業績を下方修正する企業も出てきている。業績が下がってしまうと給料に影響してくるので巡り巡って影響が出てくる可能性はあると思う」
━━今後、金融業などとは離れた仕事をしている人は何に注意してニュースを見ていけばいいか?
「正直、株価は“トランプ大統領次第”というところもあるので、トランプ大統領が今後どういう姿勢を示してくるのか、日本にとってどんないい面を提示してくるのかは注目だと思う」
(ABEMA/ニュース解説)


