【写真・画像】「ガラが悪いトラック業界を逆転させたい」平均年齢29歳の運送会社 “TikTokで全力ダンス”常識を変えた60歳の社長 3枚目
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 ドライバーの1日にも密着した。午前5時、入社4年目の三田裕真さんは、アルコールチェックと健康チェックをクリアして、ハンドルを握る。会社の利益を守る大切な準備である、ルート確認も欠かさない。今回運ぶのは精密工業機械の部品で、車両は会社所有で最大の10トントラックに載せる。

 最初の目的地は、約70キロ先の滋賀県栗東市だ。三田さんは「全部1人でしなきゃいけない」といい、荷物の積み込みや荷下ろしに加えて、ルート選択でもGoogleマップのストリートビューで、踏切や陸橋に“高さ制限”がないかなどを事前に確認するという。

 輸送コストの高騰で、経費削減はドライバーの知恵や工夫に委ねられている。「ルートは基本、下道で行く。運賃と人件費も考えながら、時間が厳しいところは(高速道路に)乗らないといけないが……」。節約意識が会社の利益に貢献して、社員の利益につながるという循環を知っているためだ。

 3時間後の午前9時に、目的地へと到着した。今回は現地のスタッフが荷下ろしを手伝ってくれたが、すべてを1人でこなす時が大半だという。「荷下ろし先の方や積み込み先の方に、『ありがとう』とお礼を言われたとき、頑張ってよかったなと思う。だから僕らとしては品質重視というか、顧客から預かった荷物は傷ひとつつけず、そのままの姿で運ぶことを意識している。そういうところで差を付けていかないと、お金を払ってもらう意味がない」。

川北社長が描く夢とは?
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