■トランプ氏の要求を“丸飲み”すべき

渡瀬裕哉氏
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 政治アナリストの渡瀬裕哉氏はトランプ氏の要求を“丸飲み”すべきとの考えで、「①農業の関税と非関税障壁をやめる」「②非関税障壁(消費税)を減税し内需拡大する」「③エネルギーの輸入」を提案する。

 1つ目の「農業の関税と非関税障壁をやめる」について、渡瀬氏は「トランプ氏の側近のナバロ氏が相互関税を提唱してる論文の中で、日本は農業の関税と非関税障壁があるので関税をかけると明言している。そういう中で、日本も例えば米の価格が上がってる状況の中で、日本の関税を下げてアメリカから食料を供給させるのは非常に合理的な話だと思う。それを阻害している非関税障壁という国家貿易のようなシステムもあるが、それもやめる。日本に農産物を安く入れればアメリカが満足するから、全く問題がないと思う」。

 2つ目の「非関税障壁(消費税)を減税し内需拡大する」については、「​​トランプ氏が、EUに対して関税をかけるときに出した理屈で、付加価値税というものが関税障壁になってる。
それを、日本側も消費税をかけてるから、減税して、日本側は内需を大きくし、日本側の消費を大きくする。
そうすれば、アメリカから買える余地が増えるので、貿易赤字の不均衡を少し是正できるかもしれない。さらに、欧州に行ってるものを我々も先に対応することで、関税が下がる可能性は十分にあり得る」。

 最後の「エネルギーの輸入」は、「アメリカはエネルギーの輸出国だ。今となってはこれをやりたくてしょうがないとのことなので、アメリカからまず買う。これは一部の地域に日本は頼ってるので、安全保障上も経済的な意味ですごくプラスだ。あとはアメリカ、アラスカからのエネルギー開発で、多少リスクも伴うが、例えばアメリカ側で法律を作らせることを条件に、日本側の企業を巻き込んでやるべき。もっと言うと、日本は2028年からGX賦課金という、化石燃料の輸入に関税みたいなものをかける。こういうものも全部やめることで、日本の消費者にとっては非常に良いことをやるだけで、アメリカのトランプ関税に対して相互の引き下げが可能だと思う」と述べた。

■「アメリカが放り出した国際経済秩序の担い手になれる千歳一遇のチャンス」
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