■「アメリカが放り出した国際経済秩序の担い手になれる千歳一遇のチャンス」
資源エネルギー庁にいた経験もある門氏は、渡瀬氏の「エネルギー輸入」に対して、「自給率を高めなきゃいけない中で、原発と再生可能エネルギーと化石燃料を入れてるが、結局、中東ではなくアメリカから入れたところで、あまり実態は変わらない。エネルギーはもっと自律的であるべきだと思うので、ここは私の考えと少し違う」と指摘した。
渡瀬氏は、トランプ氏が強く求めたアラスカLNG開発について、「(トランプ氏にとって)これ以上のお土産はない。実行すると言えば、ほぼ確実に関税は下がると思う」。しかし、「実はあまり進んでないと思う」と予測している。
では、トランプ氏との交渉材料になるものは何があるのか?門氏は「日米同盟、防衛負担の話だと思う。 そこは避けて通れない。なんで日本の関税率が24%になってしまったのか。おそらくその話があるからだと思うので、そこに何の言及もない限りは難しい。国民の理解が前提になるので、簡単に切れるカードじゃないが、それがなければハッピーエンドにはいかないと思う」と答えた。
井出氏は、「こんなこと言うと叱られるかもしれないが、なんでトランプ氏に忖度しなきゃいけないのか」と疑問視する。「安全保障の面で言うと、アメリカに頼らざるを得ない現状を考えると、言ってはいけないかもしれないが、経済と安全保障は一体だけど、完全一致ではないと思う」。
門氏は、「日本としては、アメリカが放り出した国際経済秩序の担い手になれる千歳一遇のチャンスだ」と同意した。井出氏は「トランプ氏に『どんなお土産持っていく?』ばかり考える必要なく、他の国とどうやってうまくやっていくかの構造変化を考えるべきだ」とした。
(『ABEMA Prime』より)
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