■パックン「日本に最初来た時は気持ち悪いなと」
来日して日本式の集団行動を初めて見たパックンは、「気持ち悪い」と思ったという。「300人もの小学生がいるのに静か。先生がまだ喋ってないのに友達と話さない。どうした?大丈夫か?と」。しかし、悪いことだけではないといい、「ゴミが落ちていなく、街が綺麗。みんなの社会はみんなで保つ、という精神が育まれている。アメリカの小学校には清掃員がいるが、お金もかかるし、子どもも甘えてしまう」と話す。
一方、のぶさんは掃除面でも問題提起。「中学1年生の担任時、ゴミを拾うように言ったら、『俺が捨てたんじゃないよ』と返ってきた。小学校の6年間で何を学んできたのか?と。掃除がただの作業になっていて、ゴミを放置したら教室がどうなるかに思いが至らない。本来の目的を子どもが理解できるように教えていないのが問題だ」とする。
これにパックンは「確かにその精神がうまく芽生えない生徒はいる。しかし、日本社会を見ると(集団行動は)成功しているようにも思う」との見方を示した。
教育学者で北海道教育大学旭川校・准教授の古川雄嗣氏は、「教員が“何のためか”を意識せず、惰性でやっている部分はあると思うが、パックンが言うように概ね成功しているのでは。もともと日本人は恐ろしいほど清潔感が高く、江戸末期、ゴミが落ちていないことに海外の人は衝撃を受けたらしい。今も子どもたちが“マイ雑巾”を持っているが、禅の修行のイメージからきている」と説明。その上で、現在の特別活動は「民主的な社会を作るための要素と、文化的な背景、そして戦前の軍隊式教育がないまぜになっている」とした。
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