この描写は、幼い頃のセイラ・マスことアルテイシアに対するシャアの理想化された記憶を象徴しているのかもしれない。現実にはすでに凛とした女性士官として自立しているセイラだが、シャアの中ではいつまでも「守るべき妹」のままなのだ。
シャアの回想の中のセイラは、まるで「お兄ちゃん、だ~いすき!」とでも言いそうな雰囲気だった。そのギャップは思わず笑ってしまうほどだが、裏を返せばこれは、シャアがどれほど兄という立場にこだわっているかの証明でもある。
このシーンを境に、シャアとセイラの関係はさらに複雑さを増していく。敵対する立場にありながら、どこかで「兄」としての自分でいようとする彼の執着は、後のエピソードで悲劇的な対立を招くことになる。
あの効果音にすらシャアの願望が込められていたとしたら、それはやっぱり、“ちょっとお兄ちゃん、重い”……?というより、完全にシスコンだったのかもしれない。
アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。
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