正常性バイアスとは何か

正常性バイアスとは
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 トランプ氏の関税に対する本気度を、共和党内で見誤っていた可能性がある。周りが“正常性バイアス”に囚われていた可能性について、精神科医の木村好珠氏は、以下のように説明した。

「正常性バイアスは、多少危険な状況、例えば今回のような関税問題や、自分の中で少し危険だと感じる状態であっても、わずかな変化であれば『日常のこと』として処理してしまう人間の心理である。今回の件に関しても、『まさか本当に関税をかけるはずがない、日常は変わらないだろう』と考えてしまった側面はあると思われる」

 とした上で、頻繁に発言を変えるトランプ氏の行動が大きく影響した可能性も高いと分析した。

「トランプ大統領の場合は、言うことが頻繁に変わる。今回の関税についても、実施したかと思えば90日間停止したり、スマートフォンの半導体についてはまた別のことを言ったりと、時間単位で発言が変わることがある。そのため、トランプ氏の性格そのものを判断基準にした人も多かったのではないか」

トランプ氏の発言の変遷と市場の反応、変動する市場と向き合う心構え
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