新興経済大国インドはチャンス?

新興経済大国インドはチャンス?
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 中国や東南アジアなどが高い関税をかけられている中、他のアジアに比べてチャンスだ
という見方もされており、たびたび中国と比較される新興経済大国「インド」。西浜氏は以下のように説明する。

「ポイントは3つある。1つ目がやはり相互関税率。インドに対しては、アメリカは26%と言っている。日本に対しての24%より高い。ただ、アジアの国に見ていくと、例えばカンボジアの49%、ベトナムの46%、スリランカの44%、それ以外でも、ASEANの真ん中の国でいくと、タイ36%、インドネシア32%という水準。そこに比べると26%は相対的に低い。ベトナム、カンボジア、スリランカと、インドは、例えば服や靴を輸出する国として非常に有名だが、税率が低いことはプラスに働くという見方に繋がっていると思う」

「高く乗せられて上乗せされている国は、アメリカから見ると貿易赤字の大きい国が中心である。ただ、インドに関して今回算出している根拠として、関税率が高いプラス非関税障壁が高いと言っているが、インドはこれらの国々の中で見ると比較的関税率が高い。WTOが言っている平均関税率も17%と、ほかの国と比べると圧倒的に高い水準であるのに、ある種“鉛筆をなめられる水準”で収まったのは、もしかするとアメリカ側からすると、中国とはこれからバチバチになり、中国市場は頼みにできない。そうすると、インドは中国よりも人が多い14億いる。ここが次の市場だと睨んでいると考えて、甘めに水準を設定した可能性はあり得る」

「例えばAppleのiPhoneの生産を中国からインドに移そうなんていう話。生産拠点の移管という意味での注目度は高いだろうと思う。ただし、気を付けなければならないのは、『インドは中国ほど性能よく作れるのか』という問題がある。いわゆる不良品の割合は、中国よりは圧倒的にまだ高い。その分のコストは生産側が当然持たなければならない。では、『中国がダメだからインド』という話になるのかは、何クッションがやっぱり持たなければならないと思う。そのためには、いろいろな努力をインド側も払わなければならない。もう1つ、平均関税率が高いのは、インドは国内産業を保護することを中心にやっているためだ。そうするとやはり外からの投資、確かに注目は高く、どんどん近年増えてきているが、製造業に関して言うとまだ途上だ。それは当然ながら、やはり性能の低さ、もしくは歩留まりの高さに繋がっているので、そこはきちんとインド側がわかってクリアできれば一気に動く可能性もある」

 自動車関税25%は、インドにとって影響があるのだろうか。

 西浜氏は、「マクロ的に考えると、インド全体における自動車輸出は、必ずしも大きくない。そういう意味でマクロ的なインパクトはそれほどないだろうと考えられる。しかし、自動車産業だけに特化して考えると、輸出全体の1割がアメリカ向けで、自動車関連産業、特に裾野産業多い分野のため、そういう意味での影響はやはり考えなければならない」と主張し締めくくった。

(『ABEMAヒルズ』より)

※西浜徹氏の「浜」は正式には「まゆはま」

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