数々のタイトルを取ってきた男の執念が見えた選択だった。「朝日新聞Mリーグ2024-25」セミファイナルシリーズ、4月15日の第1試合に出場した渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)が、2巡目でテンパイを取れたものの、打点を追求してこれを拒否。放送席にいた解説陣からは「こんな多井さん、見たことない!」と驚きの叫びが響いた。
「最速最強」「麻雀星人」といった異名を持つ多井は攻守のバランスに長け、数多くのタイトルを獲得。Mリーグでも創設1年目から活躍し、ここぞという場面でチームを支えてきた大黒柱でもある。絶好調時には、その強さから自ら「ラスボス」という表現をしたこともあるほどだ。
ただ、今シーズンはレギュラーシーズンで個人31位と振るわず、チームの力になれない状況が長く続くと、セミファイナルシリーズもチームは6チーム中で唯一のマイナス。ボーダーラインからかなり離れ、残り試合はほぼ全てトップ狙いが求められる苦しい状況になっていた。
すると東4局2本場、供託1000点がある中、多井は1巡目に自風の西をポン。2万1400点持ちの3着目ではあったが、アガれば1000点に本場で600点、供託も合わせて計2600点の収入が見込めるだけに、カン3索のテンパイを取るものと思われた。ところが多井は浮いていたドラの中を頼りに、さらなる打点を求めるべく打2索としてイーシャンテン戻しを選んだ。
多井のテンパイ拒否に放送席騒然Mリーグ 日程
12月8日(月)
12月9日(火)




