■LINEオープンチャットで投稿に規制導入

痩せ自慢
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 LINEオープンチャットでは、過食、拒食、摂食障害を助長する投稿を禁止。理由としては、骨や筋肉の発達、ホルモンバランス、精神面に悪影響を及ぼす可能性や、将来の妊娠・出産時などのリスクを高めるものとしている。また2022年に国際研究チームが行った調査では、低体重の成人が最も多かった国としてインド、中国、インドネシア、エチオピア、バングラデシュと並び、日本は女性のみが「痩せすぎ」とされ、他の国々が低所得であるに対し、日本は唯一の高所得国として名を連ねてしまった。さらに厚生労働省が2023年に行った調査でも20代、30代の5人に1人が「痩せすぎ」とされた。

 聖隷クリストファー大学看護学部教授の安田智洋氏は、今回LINEヤフーが行った規制に「いい方向には行くと思う」と評価。若者の中での「痩せ信仰」については、「大学生たちと接することが多いが、体脂肪や体重をいろいろ測る中で、痩せすぎているのはなぜか。SNSでもダンスを痩せている方々が軽やかに踊っていると、それに憧れてしまい、次の動画を呼び込んでだんだん刷り込まれてしまう。その他にも、普段着るファッションなどの影響も強い印象がある」と述べた。

 安田氏は、SNSに限らず各種メディアによる「痩せ信仰」は長く続いてきたという。「日本が極端に、貧困国と同じぐらいのレベルで痩せているのは、1980年ぐらいからあったこと。要するにSNSが全然出ていないところだ。そう考えると、今の親世代の認識が果たしてどうなのか。そういう世代が『痩せ』を当たり前と思っていたり、メディアの影響で育った子供たち、孫たちにとっても当たり前の世界になっている怖さもある」。

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