Misebo
【映像】肉体労働も?人手不足解消を解決する“AIロボ”
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 2030年に60万人が不足すると言われる小売業界。この課題に対し、AIを活用した解決策が注目を集めている。

【映像】肉体労働も?人手不足解消を解決する“AIロボ”

 Preferred Networksが開発した「Misebo(ミセボ)」は、店内を自律走行しながら商品棚を撮影するロボット。側面についた複数のカメラで商品や値札など細かい情報を瞬時にデータ化し、バックヤードへ送信。画面上では補充が必要な商品が色枠で示される仕組みだ。

 「スーパーマーケットやホームセンターみたいに大きな売り場の状況をロボットに認識してもらう。従業員の作業の負荷を軽減したり、欠品状況を素早く連携できるので、欠品のないよい売り場を保つことができる」とMisebo開発担当のPreferred Networks・海野裕也氏は語る。

 「Misebo」の開発が始まったのは今から5年ほど前。背景にはスーパーなどの人手不足があった。特に地方では人材確保が難しく、「少しでも手伝ってくれるロボットが欲しい」という声が多かったという。

 2024年には2店舗で試験運用がスタート。欠品状況だけでなく、値札と実際の価格の不一致も自動検知する。センサー技術により、人との衝突も回避できる。

 「従業員の皆さんに使っていただくかというところに、一番こだわっている。棚を隅々まで見るような行動は、人間がすごく苦手。ちょっとしたミスに気付きづらい。でもこのロボットは文句も言わずに毎日トコトコ走ってくれて、全体を隅々まで見てくれる。そういう点ではすごく助かっていると聞いている」と使用感についても好評のようだ。

 今後はさらに導入店舗を拡大予定である。将来的には「売り場改善の提案ができるAI」や「手を持ち商品を陳列できるロボット」への進化も視野に入れている。

 また、海野氏は「かわいいロボットにしたいというのはすごくあった。AIとかロボットは怖いとか無機質なイメージがあると思うがそれだと社会に入っていかないと思っている」とMiseboについて語った。

 もともと自然言語処理を専門としていた所からロボット分野も担当するようになったという海野氏。ロボットの難しさについてこう語った。

 「ロボットはぶつかると壊れる。僕の家にロボットを持って行って片付けとかやらせようとした。でも変な動きをすると家具壊れるから、壊れそうになったら停止スイッチ押してくださいって言われて、止めるの僕なんだと思った。まだ無茶苦茶難しい」と語った。

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