■学校における「合理的配慮」線引きは?
では、エレベーター設置がスケジュール的に間に合わないため、生徒の教室を1階にする&手すりを設置する。エレベーター設置は費用がかかるため、階段昇降機を設置する。これらは合理的配慮に当たるのか。
當間は、「先ほど話した友達は高校3年生で、バリアーフリーのある学校に転校してしまった。そこには見えていなかった苦しみ、僕らに至らないところがたくさんあったと思う。乙武さんは、無理をしてそういう学校に通うことと、受け入れ体制ができている環境、どちらが良いと思うか?」と尋ねる。
乙武氏は、「階段昇降機が付き、それを使って登れたほうがいいに決まっているが、ワンフロア上がるのに5分ほどかかる。皆さんが歩いて上がるのは30秒程度なのに、毎朝、毎日、なんなら教室移動ごとに5分かかることで、“周りは邪魔だと思ってるんだろうな”という精神的な負担も考えると、転校せざるを得なかったというのが正直な部分だと思う。やはり“選択肢”がほしい」とコメント。
また、ともみさんは「自分の意見を主張できる子もいれば、なかなか言えない子もいる。そういう子たちが現実を突きつけられて、“勉強じゃないところで差をつけられてしまうんだ”と思うのはとても悲しいなと、長いこと感じていた。そうならないように、“どうしたらできるのか”“どういう風にしたいのか”という当事者の声を、中学生であっても聞いてほしい」と訴えた。
菅原氏は、生徒の教室を1階にする議論などを踏まえ、「友達から『自分たちが1階に降りなきゃいけないのか』『あいつのために行かなきゃいけない』と思われてしまうと、今度は逆効果になる。ただ、できること・できないことを整理していく必要はあって、本人の判断と、その子だけじゃないという部分も、丁寧に見ていかないといけない。そして、今はできなくても、その先も見ていこうと広げていくと、もっとポジティブに話が進んでいくと思う」と述べた。(『ABEMA Prime』より)
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