トランプ氏の参加…狙いは?

トランプ氏の参加…狙いは?
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 トランプ氏の急遽参加についてはどのような狙いがあったのか。西田氏は以下のような見解を示す。

「トップが出てくることで、アメリカにとって有利な交渉を進めたいということと、日本であれば、アメリカが主導権を握りながら交渉をまとめられるんじゃないかという思惑があるのではないか。例えばウクライナの停戦やガザ地区の問題など、なかなかトランプ政権の思うように進まない事項がたくさんある中で、トランプ大統領も存在感を示したいはずだ。その中で、日本であれば自分たちが主導権を持って、思った通りに交渉を進めて『成果』をあげられるという狙いがある印象だ」

 日本も石破総理が出てきたほうがよかったのではという指摘には、次のような考えを述べる。

「日本の場合はアメリカとシチュエーションが異なり、トップがいきなり出ると後がないし、有利に進められるとも限らない。むしろ日本について言えば、今回は赤沢担当大臣が行って、“その場で決められないので持ち帰って検討するカード”を残すことができたという意味においては、日米どちらにとっても好ましい構図になっているのではないか」

 1回目の日米交渉に西田氏は「75点」という点数をつけ、その理由に「トランプ氏を怒らせていない」「中身は不明」「『落とし所』がありそう」をあげた。

「トランプ政権、トランプ大統領を決定的に怒らすとどうやら難しそうだということは明らかで、一番わかりやすい例で言うと、ゼレンスキー大統領との会談だ。これは予想されていなかったシチュエーションを生んだ。その意味においては、トランプ大統領のSNS投稿を見ても、トランプ大統領は決定的に怒っていないように思われる。シンプルだが、これは重要なポイントだ」

「その一方で、中身は少なくとも日本側からは明らかになっていない。日本にいる我々からすると、中身はよくわからない。でも、それほど悪くはなさそうだということと、落としどころがあるのではないかということで、75点という点をつけた」

西田氏の推測が的中… トランプ氏からの要求
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