4月23日に行われた新しい資本主義実現会議で議論された「最低賃金を2020年代に1500円にする」という目標。
石破総理は自民党総裁選から、岸田政権時の「2030年代半ば」という目標を前倒しする考えを示してきた。これに異を唱えているのが、実際に賃上げを実行する側の、経済界である。
「資本主義で市場の競争を通じて企業は伸びていくわけで、市場の力で企業が生産性を上げる。従来から申しているように、強制的な力でもって、到底達成できないようなレベルを与えて、中小企業が退場を余儀なくされるというようなことは、これはいかがなものかなと。それはもう最初から変わらないスタンス」(経団連・十倉雅和会長)
東京商工リサーチが全国5277社を対象にしたアンケートでは、約5割の企業が最低賃金1500円を5年以内に実施「できない」と回答している。
「無理な目標設定」とも指摘される2020年代までの最低賃金1500円。赤沢経済再生担当大臣は、4月23日の会議後「高い目標の達成に向けたたゆまぬ努力を継続する」と決意を語った。
「最低賃金の国際的な状況を見ると、EU加盟国の最低賃金についてはEU指令において賃金の60%また平均値の50%というのが参照指標として示されている」(赤沢経済再生担当大臣、以下同)
「官公需における対策等を含めた価格転嫁、官公需等の取引適正化の徹底、業種別の省力化投資促進プランを通じた生産性の向上、事業承継M&Aに関する経営者の方々の不安や障壁を取り払い、先々の経営判断を計画的に行うことができる環境の整備等の施策パッケージを新たに策定実行することとしている」
“2020年代に最低賃金1500円”は現実的?
