■鳥取県での禁止条例
生成AIを使った画像も様々だ。卒アルなどの顔写真から性的画像をAI生成し、顔が当人のままであれば、児童ポルノと認定できる。しかし、「複数の児童を学習させて性的画像をAI生成し、顔は合成(割合の設定可能)」の場合や、「実在児童を学習せず性的画像をAI生成し、顔は合成」といった場合は、児童ポルノと認定できるのかは見解が分かれる。
平井知事は「子どもの人生がかかっている。一生の傷になるようなことから守る」として、議会の全会一致で条例が制定されたと説明する。「実在する児童の卒業アルバムから、顔写真だけを切り取って、性的な肢体を付けて画像生成する。『本人の肢体とは違う』という異論もあるだろうが、一体として認められるものについては、県条例で児童ポルノ規制の対象となる」。
条例制定した理由として、「鳥取県内でも性的なことに限らず、画像生成している子どもたちが出ていると報告された。県外や世界中を見渡せば、生成AIで写真と同様な性的表現ができてしまう現状がある。もともと子どもの性的写真を撮って、送ることは条例で禁じており、AIも含めるべきだと考えた」と話す。
4月17日の知事会見では「インターネット・SNSの適正利用を推進する専門家チームを立ち上げる」「動画を活用してメディアリテラシーを高める子ども向けの教育ツールも導入していく」「罰則を含め実効性を担保する改正に向けて検討を急ぐ」と述べていた。
今回の条例では、罰則も設けられている。「子どもや保護者に『生成AIで児童の性的画像を作ってはダメだ』と、わかりやすくPRしている。子どもたちを守ることであり、罰すること自体が問題ではない。ただ、有識者からは実効性を確保するためには、罰則などの担保措置が必要だろうという意見が出た。今後の議会で深めたい」。
■アダルト系生成AI画像を作成している当事者
