「社長以外の管理職は全てなし」にした会社
韓国取材を終えた玉川氏は「出世に興味がない若い世代には二つの層がある」と語る。
「一つは転職を繰り返してキャリアアップして、自分で会社を起こす意欲を持っている層。もう一つは、出世競争はどうでもよく、ワークライフバランスを大事に人生楽しければいいという層だ。この人たちは課長の一歩手前の“代理”のポストまで行けば満足だから、韓国では『万年代理』を目指す人たちと言われている」
取材に応じてくれたHD現代重工業株式会社 キム・ギュジンさんからは韓国の中間管理職の実情について「キムさん自身は労組活動に熱心だったこともあり中間管理職には縁がなかったそうだが、同期の方は中間管理職にならざるを得なかった。彼ら彼女らはその上司からDX化をやれと命じられたり、若い人たちと価値観が合わず“板挟み”で苦労している人が多く、キムさんに対して羨ましい感情を抱く人が多い」と聞いたという。
玉川氏は取材を通して、中間管理職に求められる能力として、リーダーシップ、マネージメント能力、問題解決能力、部下とのコミュニケーション能力を挙げ「プレイヤーとして優秀な人が中間管理職になるが、必ずしもそういう人たちがこういった能力をもともと持っているわけではない。会社で研修はするとはいえ、本当に短い期間で培われるかは疑問が多い」と懸念を示した。
負荷がかかりすぎている中間管理職。対策はあるのか?
玉川氏は広島で取材したメガネ21という会社を引き合いに出した。
「そこは社長以外の管理職は全てなしにした。会社の方によると、社員の責任感や当事者意識を醸成する非常にいい効果があったという。一方で、例えば何かトラブルなど会社の経営に良くないことが起きた時に中間管理職が間に入ることができない。また、若い方が話していたのだが、ある年上の社員が会社に損失を与えかねない提案をしたが誰もストップをかけられない。だから自分が『それには反対です』と言って止めたと。『本当だったら管理職がいればいいんですけどね』などと話していた」
玉川氏は取材を通しての感想として「中間管理職は“無理なこと”も多いが、会社の仕組みや同僚などとの取り組みで“無理ゲー”もやれるのでは。中間管理職は大事だからみんなで育てていこう、という気持ちになってきた」と語った。
(朝日新聞/ABEMA)


