■インバウンドは追い風、新たなはんこの価値

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 EXIT兼近大樹は「はんこはなくならない」と断言する一人だ。「日本の歴史文化の一つ。着物や畳、古民家とか歴史のあるものは価値になっていく。今、はんこが嫌われている理由は、どっちにも振り切れていないからだ。中途半端にみんな使うし、使わなきゃいけない場面もあるから、歴史にもなっていない。だからもっと僕は価値をつけるべきだと思う。素敵な文化があるものを簡単に持てている状態で、逆に使わなくなっていくことで価値が出ていく。みんなが使うからエモくないだけで、使わなくなってきた途端に『はんこはよかった』とみんな言い出す」。

 また実業家の薄井シンシア氏も、はんこに新たな価値をつけるべきだと考える。「生き残るには、仕事で使うことから切り離すべき。要は新しいストーリーを作るということだ。例えば子供が生まれたら『あなたがこれから一生使う名前ですよ』とはんこを渡す。成人式の時に、これから成人として出発するからはんこを1つとか。実用性ではなく、その人の文化と気持ちにアピールする時期が来たのではないか」。

 ライター・編集者の中川淳一郎氏も同意見だ。「もうハンコを、芸術にしてしまえばいい。中国から贈られた金印なんて、国宝にまでなっている。もうはんこ職人がみんな芸術家になるというやり方はある。力士が手形を取ると、みんな欲しがる。それと同じではんこ職人が作った超かっこいいものを、芸能人がサイン色紙に使うという話になれば、それにも価値が出る」。

 はんこへの新しい価値づけについて小林氏は「はんこを押すのが楽しいと思ってもらえるものを作ることを、私たちが今から考えないといけない。インバウンドのお客さんが彫るのを見て、逆輸入ではないが日本の方もおもしろいと思ってくれればいい」と語る。「手紙でも、ただパソコンで打った手紙を送るより、最後にはんこを押してあれば、もらった方は粗末にできない。送った人の真心というか、心がそのはんこ1つでこもる。そういう捉え方をして使ってもらえれば、はんこは持つ価値があるものだと思う」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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