被害を受けている当時は「被害者という意識が全くなく、『多産DV』という言葉自体も、離婚して初めて知った」と振り返る。「被害者には『自分が悪い』と思ってしまう人も、たくさんいるのではないか。広く知れ渡ることで、少しでもなくなるといい」。

 3人目以降から「これ以上の妊娠・出産は、つわりも重くきつい」と伝えたが、洗脳状態にあったため、「基本的には拒否できない状態。『俺は結婚してやった』『男心をわかっていない』『お前バカなの?』と言われ、常に『自分が悪い』と思うようになった」そうだ。

 かおりさんのケースを、種部氏は「逃げられただけでもすごい。気づくきっかけがあってよかった。隣にいる人が『おかしい』と言ってくれて、はっと目が覚めた。病院でのエピソードもそうだが、そういった事がなければ洗脳は解けなかっただろう」と語る。

■夫婦間でも不同意の性行為の強要は犯罪に
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