かおりさんは、みずからの経験を通して、「合意を取らない性行為が犯罪だと、幼いころから教育することが大事だ。自己肯定感が低い女性であればあるほど、なかなか体の決定権が自分にあると認識しにくい。学校教育でも『自分の身体がどれだけ大事か』を教えてほしい」と願っている。

 種部氏は「日本では避妊がポピュラーではない。ピルやIUSと呼ばれる確実な避妊具を使っている人は4%程度しかおらず、96%はパートナーに避妊を求めないといけない。しかし相手が不機嫌になると、すぐ妊娠を引き受ける現状がある」と指摘する。

 加えて、教育不足も問題点として挙げる。「日本では人工妊娠中絶には、配偶者の同意が必要だ。配偶者が反対すると、女性は産むしかなく、これが多産DVにつながっている」。しかしながら、「DVが明らかな場合には、同意がなくても中絶できると、2年ほど前から運用が変わった」という。「残されている手段を被害者に伝えたい。女性でも男性でも、そうした実情を知っていれば、被害者に『産まないという選択』を示して、目覚めさせられるかもしれない」。
(『ABEMA Prime』より)
 

この記事の画像一覧
望まない妊娠・出産で支配 多産DVの実態
望まない妊娠・出産で支配 多産DVの実態
この記事の写真をみる(4枚)