17歳同士の注目の一戦。松谷梛は、K-1で活躍する女子アトム級王者・松谷綺を姉に持つ、格闘一家の末弟。アマチュア戦で実績を重ね、スピードとタイミングを武器にこの日プロデビューを迎えた。一方、田中康友はアマチュア時代から地元・福岡の地域大会で活躍し、100戦を超える豊富な経験を持つファイター。プロ転向後は、強打とタフネスを武器にこれが3戦目となる。
田中は計量で契約体重53kgをクリアできず、1.9kgの大幅な体重オーバーで減点2からのスタート。ほぼ1階級上となる体重差を考慮してグローブハンデが提案されたが、松谷がこれを拒否し、両者とも6オンスグローブでの対戦となった。しかし、その体重差をものともしない松谷の攻撃力が際立つ展開となった。
試合序盤は互いに距離をとりながら慎重に展開。しかし松谷は、カウンターでテンカオを突き刺し、鋭いワンツーで田中のガードを突破、左フックをヒットさせる。この一撃で田中は背後に“グニャリ”と崩れ落ち、最初のダウンを喫した。
ダウンを奪われ焦りも見える田中は、復帰後すぐに前へ出るが、松谷は冷静に距離を取りながら再びワンツー。右を打ち込んで2度目のダウンを奪う。1度目のダウンと同様、なぎ倒されるように倒れ込んだ田中は、放心したような表情を見せ、レフェリーが試合をストップ。1分44秒、松谷の電光石火のKO勝利となった。
スピードと正確なパンチは、デビュー戦とは思えない完成度。田中は対応できず、「脳がシャットダウンしたよう」な衝撃的なダウンに沈んだ。
ファンからは、「松谷、スピードあるな」「デビュー戦とは思えない圧倒的パフォーマンス」と称賛の声が相次ぎ、ワンツーと左フックのコンビネーションに「タイミングと目の良さが抜群」といった高評価も。一方で、Krush初戦で計量失敗に終わり、やや気負いも見えた田中に対しては「倒れ方が悪かった、後頭部打ってる」「恐ろしい」「危なかった」と心配する声も上がった。
試合後、リングサイドで弟のデビュー戦を見守っていた姉・松谷綺もホッとした笑顔。およそ2キロの体重差があるハンデを、持ち前のスピードで振り切った松谷梛に対して、ファンからは「松谷兄弟の末弟が本物」「次はメインで」といった期待の声も続々と寄せられた。
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