トランプ関税をめぐり5月10日から2日間かけて、スイスで米中協議が行われた。アメリカ側からは通商代表部のグリア代表やベッセント財務長官が出席し、中国側は何立峰副首相が出席。「貿易協議の枠組みを設けることで合意した」と発表しているが、これについて野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏と考えた。
まず、木内氏は米中協議をどうみたのか。次のように述べた。
「ベッセント財務長官は合意を目指すというよりは、まずは緊張緩和ということを直前に言っていたので、それほど大きな期待はしていなかったと思う。今まで交渉できてなかったことと比べると、一旦交渉できたことと、今回、枠組み合意ということは、継続的に議論していこうということが合意できたので、期待していたよりも若干良かったと思う」
本格的な交渉はこれからになるのか。木内氏はこのような見解を示す。
「具体的な交渉まではしてないと思うので、これから行っていくと思う。ラトニック商務長官などは、まだ何十回、協議を重ねなくてはいけないと事前に言っていた。いずれは合意すると思う。アメリカ側が望んでいる。両国で100%を超える関税というのは、両国の貿易をすごく大きく分断してしまっているので、アメリカにとっては輸出も伸びないし、一方で輸入も値段がすごく上がるので大きな打撃。今後も結果的にアメリカが譲歩する形で、関税率の引き下げがいずれは実現すると思う」
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