「電波は一切届かず…」内部の厳戒態勢を明かす
具体的な選挙の内容については明言を避けた菊地枢機卿だが、内部の厳戒態勢については、ブログでこう記している。
「(宿舎の)入口には、空港と同じ保安検査の台が設置され、携帯やパソコンを始め、充電器など、すべての電子製品を没収され、特別な密封封筒に入れられます。窓ガラスには布が張られ、外のブラインドは開けないように、バチカン警察の封印がされていました。携帯の電波は一切届かず、館内電話も外線に繋がりません。こうなると、やることがなくなります」
外部への発信はもちろん、投票の判断を左右する可能性がある情報が徹底的に遮断されていることからも1人1人が次の教皇選びに専念していることが伝わってくる。一方で、食事の場では初対面の人も多く、お互いの国の教会について教えあう和気あいあいとした雰囲気だったという。
そんな中、過熱していたのが、隠された内部の状況を伝えようとするメディアの報道だ。どの枢機卿が有力なのか、得票数の予測などが伝えられたが、菊地枢機卿は、自身が目の当たりにした事実とはかけ離れた数字で、何らかのストーリーを作るための推測の結果なのだろうと振り返っている。
世界中が注目するからこそ選挙を題材にした作品が数多く作られ、さまざまな情報が錯そうするコンクラーベ。2日間にわたる教皇選挙を振り返った菊地枢機卿はこう締めくくっている。
「教皇レオ14世が、これからどのような言葉を語るのか、どのような行いをするのか、どのような方向へ歩もうとするのか、期待のうちに待ちたいと思います。教皇様のために祈り続けましょう」

