6月25日、アメリカの株式市場で半導体大手「NVIDIA」が154.31ドルで取引を終え、過去最高を更新。マイクロソフトを抜いて時価総額世界一となった。背景には、アナリストがNVIDIAは人工知能(AI)の「黄金の波」に乗ると予測したことがあるという。
なぜNVIDIAはここまで強いのか。AI研究者の今井翔太氏は次のように述べる。
「大きく分けて2つある。1つ目に、人工知能の基礎理論的なところにスケーリング則が発見されている。もう1つが、NVIDIAの作っているエコシステム、技術的な囲い込みがある」(今井翔太氏、以下同)
「(スケーリング則とは)今の人工知能の性能は、学習に使うデータとAIのニューラルネットワークの大きさ、あと学習に使うときの計算のハードウェア、要するにGPUの3つの要素を大きくするだけで、勝手に性能があがっていく」
「GPUがあっても、そのGPUの中でAI学習させるためにはプログラミングをしないといけない。AI関連のプログラミングは、完全にNVIDIA専用のものになっていて、AI学習のためのツールやライブラリは、全部NVIDIA向けになっている。突然、別の競合企業が強い別のGPUを出したとしても我々は使えない。研究者は使えないし、開発企業も使えないので、エコシステムの囲い込みで他の企業が入り込む余地がない。GPUが必要だと、NVIDIAがひたすら作って儲かる」
AI研究者、“GPUいらない”は「投資家が勝手に考えただけ」
