AI研究者、“GPUいらない”は「投資家が勝手に考えただけ」
1月27日にDeepSeekショックがあり、株価が下がった。そのとき、GPUはいらないのではという話があったが、今井氏は「必要」だという。
「投資家が勝手に考えていただけで、そんなことはない。DeepSeekはChatGPTのように話すAI。スケーリング則は、話すAIだけではなく、科学的発見をするAIや画像処理、動画画像生成とか画像認識でロボットを動かすなど、AIのあらゆる分野で機能することが明らかになっている。話すAIがGPUいらないとなっても、別の分野がまだたくさんある」
なぜ、AI開発企業よりも半導体企業なのか。
「AI開発企業は基本赤字。なぜかというと、GPUをたくさん買う必要がある。1個500万円くらい。500万を60万個とか持っている。その時点で何兆円という投資をして学習をする。ITサービスは、一旦開発が終わると、そのあとの運用コストはそこまでかからない。ユーザーが増えれば増えるほどAI企業は基本的に赤字の垂れ流し状態。一方で半導体産業は、半導体を売るとその時点で儲かる」
では、今後もNVIDIAは強いのか。
「まだ強い。常識的に考えると、スケーリング則は今のAI開発の根本原則なので、よほどひっくり返らない限り半導体は絶対必要。半導体産業全体、これからも潤うのはほぼ技術的な視点から見ると間違いない」
ただ、細かい懸念点はあるという。
「半導体は高性能なトランジスタという半導体素子の集合体。どれだけ小さくして詰められるか。小さくしていくと、エラー率、不良品の確率が増えていく。不良品が増えると、生産に影響するという話も出る。ただ、それはミクロ的な視点で、もちろんDeepSeekショックみたいにガクンと落ちたりするかもしれないが、長期的に見れば、NVIDIAほぼ一強なので、上昇トレンドは続くだろう」
(『ABEMAヒルズ』より)
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