■「わかりやすく伝えようと書かれた文章でも読めない方が多い」

「アミラーゼ構文」
拡大する

 アレクサンドラ構文を考案した国立情報学研究所の新井紀子教授は、「正しく説明文を読む力を測るリーディングスキルテストを考案した。2017年ぐらいから、小学校5年生から大人まで50万人が受験している。視力検査のように、最初に中程度の問題が出て、間違えるとより簡単に、正解すると難しい問題へ行く」と説明。「教科書や新聞、辞書など、わかりやすく伝えようと書かれた文章から引用しているが、それでも読めない人は多い」という。

 アレクサンドラ構文の正答率は、中学生が38%、高校生が65%。一方、「(4)女性」と誤答したのは、中学生が39%、高校生が26%だった。「中学校は公立でランダムサンプルが取れた。高校はたまたま進学校だけのサンプルだが、その中でも3分の1が構文を読めていない」。

 一方、コラムニストの河崎環氏は「受験テクニックで育っているような子たちの一番の急所をついている」と指摘。「試験で点数を取るための国語や現代文を教える時、“問題文の中から同じことを書いている一文を探しなさい”と言う。そうすると、今回は『女性の名Alexandraの愛称』と書いてあるので、『女性』を選ぶ。ナチュラルな答えになっているわけだ」との見方を示した。 

■「説明書や学校のお知らせが読めない」“機能的非識字”のリスクも?
この記事の写真をみる(5枚)