■「年収2000万円でも買えない」 都心タワマンは“空中戦”に?

「都内で新築マンションは買えない」嘆く男性(左列下、はむさん)
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 不動産コンサルティング業を営むさくら事務所会長の長嶋修氏は「都心のタワマンは今、年収2000万円でも買えない。もっと世帯所得の高い方か、超富裕層の現金買い、あるいは国内外の投資家。一般人からすると、空中戦をやっているようだ。ただ、共働き世帯の比率が圧倒的に高まり、“利便性の良い所がいいよね”“より都心、会社、駅に近く”という思考になっていく」と指摘。

 アメリカ・ニューヨーク市在住の都市建築家でLaguarda.Low代表の重松健氏は、街づくりの観点から「日本のタワマンは、分譲だと足元に商業がほとんど入れられない。一方、ニューヨークは賃貸住宅が多くあって、足元の賑わいは連続して存在している。密度を持って住宅を都心に作ると、汚れていたらどうにかするし、地区ごとのカルチャーができてくる。マンハッタンも高層ビル街のようで、床の60%は住宅だ。しかし、日本の都心3区に住んでいる人はほとんどいない」との見方を示す。

 また、再開発について、「マーケットとしては儲かるオフィスタワーのほうにいくが、人口減少や働き方が変わる中で、今後こんなにいるのか?という時点にはきているだろう。その代わり、住宅は圧倒的に足りていないと思う。湾岸など隔離された所ではなく、都心のど真ん中に人が住んでいけば、新しく面白い街ができてくると思う」と語った。

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