■東京を舟で繋ぐ?「東京B-LINE」構想とは

重松健氏が提唱する「東京B-LINE構想」
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 重松氏がもう1つ提唱しているのが、「東京B-LINE」構想。公共交通システムとして舟運を導入するもので、隅田川や東京湾の水辺周りアクセス強化などによる「公共交通の増強」、電気が止まっても舟は動く「災害への耐久性」、東京の臨海部や川沿いには多くの眠った経済があり「未活用地の活性化」を、メリットとしてあげている。

「15年ぐらい言い続けてるのだが、電車やバスの次に、『船』という第3の公共交通を作るべきだ。陸で行きにくい場所だから誰も行かないし、開発機運も高まらない。そこで、地下鉄の路線図みたいに水路を繋ぎ、1回300円ぐらいで電車と同じ間隔で乗れるようになれば、例えば東陽町や木場、浜町といった微妙に何も起きないところにアクセスしやすくなる。住宅デベロッパーと話すと、『もう建てる所ないんですよ。晴海とかも全部終わっちゃったし』と。でも、まだまだ開発余地はある」

 これに長嶋氏も「すごくいいと思う。私の業界の仲間も『水辺をもっとかっこよく開発しよう』と言っている。都心の湾岸も多くの人が住むようになっているが、意外と開発はもったいない印象が昔からある。それを交通で繋げるとか、そもそもデザインをもう少し良くする工夫は、いくらでも東京都にはやる余地があると思う」と述べた。

 そんな中、前参院議員でキャピトルシンク取締役CSOの音喜多駿氏は、それを阻む“ハードル”に言及。「都議会議員をやっていた時、舟運という政策をやるべきだと言っていた。ただ、よくわからない船などが既得権で置かれていることが10年前もあったし、利便性がある所を開放して船着き場にしたらどうかと提案しても、『防災用なので使えない。非常用に開けておかなければいけない』と言われる。実証実験をやっても、最初は当然採算が取れないから、『全然ダメでした』で終わってしまうわけだ。はじめは赤字覚悟で、開発がついてくるまで我慢しないとできない。それをやり切れる政治家が長期政権を取らないと、舟運は開発できないのでは」と投げかけた。(『ABEMA Prime』より)

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