■生き方が多様化し、自立の価値観も変化?

宮本みち子氏
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 千葉大学の名誉教授、家族社会学を専門としている宮本みち子氏は、一般的な自立について、「経済的な自立。今の生活の自立や身体的な自立。
また、精神的自立はよく言われる。社会的な仕組みの中で、自立的に振る舞うことができるもの」と説明する。

 日本の1人暮らし世帯については、「どんどん増えていって、2020年で38%、2050年には44%になると言われている。半分の人は1人暮らしをする社会になっていき、一生で考えると、人生の半分は1人で暮らす。これが珍しくない状況に今ある」。

 しかし、「若いときはいいが、初老の年齢に近づくと、かなり多くの人が『これでいいのか?大丈夫なのか?』と不安を感じるようになる。気持ちの問題だけじゃなく、経済的にも、住宅の問題もある。『1人が気楽だから、このままでいいや』という考え方だけだと、どこかで行き詰まる可能性がある」との見方を示す。

 さらに宮本氏は、「生き方が多様化し、自立の価値観も変化している」と考え、「今の時代の難しさは、自立の形が以前のように定まっていないことだ。結婚して子供を持てば自立と、数十年前までは考えられていたが、今はそういう定義で自立を捉えられない。だから、悩みも迷いも深くなって、自分にとっての自立は何なのか、考えざるを得ない」とした。

(『ABEMA Prime』より)

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