■はがされ経験者「普通だな。炎上したことが逆にびっくり」
はがしのメリットには、公平なサービス、スムーズな進行、演者の負担軽減などがある。反対にデメリットとして、強引に進行されるとファンの不満がたまる、トラブルが起きると演者のイメージまで悪くなるなどが挙げられる。
今回話題になっている「お見送り会」の参加者に取材したところ、実質的にフェス1日券(約3万円)と「お見送り会」の券(約9000円)の購入が必要だったという。HPの説明では「最も近い距離で1:1で直接挨拶」となっていたが、実際には約500人の参加者に対し、10分弱程度(=1人当たり1.2秒程度)だった。また、アーティスト登場と同時にはがし始められ、身体を触られ続けるなど、過去イベントと比べても激しい対応で「スケジュール設定にかなり無理があると感じた」そうだ。
かつて男性YouTuberの接触型イベントに多数参加し、はがしの対応に怒りを覚えたことがあるミユさんは、「私が行っていた現場は、結構はがしがスゴかった。だから今回の映像を見たときは、『こういう現場なんだな』と普通に感じ、炎上したことに逆に驚いた」と語る。
自身が通っていた男性YouTuberの「お見送り会」では、「はがしのスタッフが大声で残り秒数を唱えていて、演者の言葉が聞こえなかった。はがしに押されて転んだファンもいて、助けに行くのかなと思いきや、『そこ通路なんで、どいてもらえますか』と言っていた。はがしの早さや、スタッフの大声で、何も話せなかったファンが会場の外で泣いていた」と振り返る。
元AKB48の柏木由紀は「はがしの声で聞こえないのは、“あるある”だ。私は『もう少し小さい声で』と言えたが、思っていても言えないアイドルもいる。でも仕事として、はがしを一生懸命やっている気持ちもわかるから難しい」と、アイドル側の視点からコメントする。
■はがしスタッフの実態

