■はがしスタッフの実態

井川るいさん
拡大する

 では、はがす側の考え方はどうだろう。かつて多くのアイドルイベントで、はがしスタッフを務めた井川るいさんが、実情を語る。「大手レコード会社に勤務していたときに、はがしやセキュリティーを担当した。当時のアイドルファンには、本当に離れようとしない人もいた。腕がパンパンになるぐらい全力で押さないと、回っていかないような状況だった」。

 せかさないといけない事情として、「会場を借りるにあたって、撤収時間が決まっている。何時までに握手会を終えないといけないとなると、客と演者の人数から、1人あたまの時間はおおよそ決まる」ことがあるとして、今回話題のイベントは「スケジュール設定に無理があった」と推測する。

 柏木は、イベントの性質に着目する。「“握手会”は握手だけで数秒使う。でも、今回のような“お見送り会”は、明確に秒数が示されていない。現場によって、10秒だったり、1秒だったりと基準がないため、『あのグループは時間あったのに』となってしまう」。

■柏木由紀「あいさつは最低3秒は必要」
この記事の写真をみる(5枚)