■先進国ではワースト…今後さらに女性議員を増やす方法は?

議員活動を行う上での課題
拡大する

 今後さらに女性議員の割合を増やしていくにはどうすればよいか。情報キュレーターの佐々木俊尚氏は、男女を問わず変わってきた政治家像について語る。「政治家像はこの数十年で相当変わった。1990年代ごろに永田町を取材すれば、ものすごく権力の強いおじさんがいっぱいいた。もう権力を取るためだけに政治家になったような人だ。でも最近は特に40代、50代の政治家に会うとそれぞれ自分のテーマを持っていて、その中で政策を実現したい・立法したいと追求していくのが政治家の喜びだと話している」。

 政治家としては理想の姿と思えるが、一方で懸命に働くことが必ずしも個人の利益につながらず“職業”としての魅力を落としている可能性を指摘する。「昔の政治家は権力が手に入る、お金が入る、利益誘導ができるなど欲望にまみれた目的があって政治家になるようなところもあったが、今はそれがほとんどなくなってきていて利権もなければ、お金も儲からない。確かに報酬は結構あるけれど、その報酬もほとんどが政治活動や秘書の雇用に使ってしまい、自分自身が儲かるわけでもない。そうなった時、男女に限らず政治家になりたい人材をどうやって確保するのかは重要な問題だ」。

 辻元氏は、より女性の意見も男性同様に通りやすくなる環境を整える意味でも、クオータ制導入の可能性を模索する。クオータ制とは、議会における男女間格差を是正することを目的に、性別を基準に女性または両性の比率を割り当てる制度で、世界でも採用例がある。「少子高齢化の問題にしても、ずっと家を見てきた女性の方が実感がある。これまでは子育てをしたことない人ばかりで、子育てのことを決めてきたようなもの。介護職の賃金が低いというのも、それは女性の職場だったからで、やはり当事者の声が届いていない。今クオータ制は、世界で135カ国ぐらいが導入をしている。女性がバランスよく入る方が政治も良くなるし、社会的課題の解決にプラスになることは実証されている」。

 このクオータ制について、佐々木氏は「立憲民主党という政党が、自党の候補として女性候補の適切な人を選んでくるという意味では適切だが、例えば国会で女性の議員は何割にすべきだと法制化するのは反対。それは数合わせになってしまう」、国会議員になることを目指す18歳の学生・秀島知永子さんも「私自身『女性政治家』とは呼ばれたくない。もちろん女性ではありつつも、全ての女性の立場を代弁できるわけでもないし、様々な女性がいる中で、枠を作るのは反対」と述べていた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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