2年連続3度目の優勝を目指す稲葉陽八段(36)が指名したのは、将来性豊かな20代前半の棋士2人だった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」は5月24日にドラフト会議の模様が放送された。稲葉八段は1巡目に藤本渚六段(19)を指名するも抽選で外し、上野裕寿四段(22)を指名。さらに2巡目も昨年10月にプロデビューの吉池隆真四段(20)という若手を選んだ。「未知数な部分はありますし、戦っていく中で成長していけるかどうかが、上に行けるカギ」と稲葉八段も成長も見込んでの指名だと明かした。
稲葉八段はリーダーとして第5回大会から3年連続で決勝進出。優勝、準優勝、そして優勝と抜群の成績を残している。過去指名してきたメンバーには後輩棋士が多く、自ら先輩として戦う背中を見せつつ、さらに若手が大会中に力をつけるという理想的な展開が頻出している。ドラフトでは1巡目で抽選くじを外したが「重複は割と望んでいた形の一つ」と醍醐味を感じると、直後に上野四段の名前を紙に書いた。「攻守のバランスが取れていて踏み込むところは踏み込む。終盤が強いタイプで持ち時間が長い方が強いかなと思ったんですが、相手が強ければ強いほど燃えるタイプという印象があります」と、大物食いの素質を見込んだ。
くじ引きバトルを振り返る稲葉陽八段
