稲葉陽八段
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 2巡目には、まだプロ歴が1年にもならない吉池四段を抜擢。「若いから頑張ってくれるだろうというのもあるんですが」と微笑むと、「昨年、藤本さんが活躍した時に吉池さんに教えてもらった戦法を使って勝ったと言っていたので、おもしろい作戦を持っているという印象です」と、若手ならではの感性・研究に期待した。

 中堅の域に入ってから振り飛車を指すようになるなど新たな変化や刺激を求める稲葉八段にとっても、この大会で若手とともに戦うことはいい経験だ。「勉強になりますし、(対局が)放映になる前にそれを試して公式戦で勝ったようなこともあります。吉池さんは雁木や右玉が得意で、結構おもしろいです」と、若手以上に貴重な経験をしているかもしれない。

 2度も頂点に立っているだけに目標は優勝以外にないが、今年もまた若手を育てながら勝つという挑戦をする。「吉池さんは私と親交がない分、緊張する部分もあるかと思うので、のびのび指せる環境をうまく作ってあげられるかも一つのカギになると思います」。すっかり同大会の戦い方を熟知した稲葉八段。3度目の優勝へイメージはばっちりだ。

ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
ABEMA将棋チャンネルより)
 

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【映像】気になるのはどのチーム?ABEMAトーナメント2025 ドラフト会議結果
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