自覚のないモラハラをしていたのびおさん
【映像】水の出し方、保冷剤の捨て方めぐり怒鳴り散らす夫(イメージ)
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 配偶者がいる4人に1人が受ける「DV被害」。相談の6割を占めるのが精神的DV、いわゆる“モラハラ”だ。人格を否定するような暴言や行動監視、長期の無視など、精神的苦痛を与えることを指す。

【映像】水の出し方、保冷剤の捨て方めぐり怒鳴り散らす夫(イメージ)

 しかし、加害者の多くはモラハラの自覚さえないという。妻と娘2人がいるのびおさん(47)は、結婚当初から何かにつけて妻に当たっていた。「感情が爆発して、怒鳴る、物に当たる、ドアをバタンと閉める、ものを投げて大きな音を出すとか、威圧していた」と話す。

 日常の些細なこともイライラの原因に。「食器洗いの水の出し方」でも、シャワーのほうが効率的にも経済的にもいいと思っているが、何度言ってもシャワーを使わない妻に怒るそうだ。また、冷凍庫にたまった保冷剤について、気を利かせて半分ほど残して捨てたところ、妻が残りも捨てようとしていたため怒りが爆発。「今まで手をつけなかったものに対して、僕が手をつけたら急に手をつけて、否定された気分に」。妻を怒鳴り、保冷剤をゴミ箱に投げつけた」。

 こうしたケースに限らず、自分がやることはいつも正しく、従わないほうが間違っていると思ってきたという。「自覚は全くなく、普通のことだと思っていた。自分の中に正解があって、間違えている妻を正してあげているイメージ。両親がそういう行動だったため、周りの家庭も含めて普通だと思っていた」。

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