■“悪意のない加害者”にならないために
実は中川氏自身も、かつては自覚のないモラハラ加害者だった。自分の行為がモラハラだとわかり、「どうして妻を傷つけていたかわからなかったが、『これは解決できるのだ』と知った」そうだ。独学でモラハラを学び4年、妻のまいさん(仮名)は「本当に別人に変わり、私に怒ることはない。嫌なことはあるが、理不尽な怒りは一切ない」と現状を明かす。
中川氏は自身の変化について、「夜、妻が『お菓子を食べたい』と言うのでコンビニへ行くと、『しょっぱいものが良かったかも』と言い始めた。甘い物としょっぱいものをどちらも買うと、帰っている最中に『やっぱり食べたくないかも』、帰ったら『疲れたから』と寝てしまった。このプロセスに、昔の僕なら6回ぐらいキレている(笑)」と語る。
妻の行動もまた、ある種のハラスメントなのではとの指摘には、「もし妻が『食べたくないが、そう言えば夫が怒る』と思えば、食べないといけない。それがDVの本質だ。自分の考えにウソをつかないといけない関係性に問題があり、僕が気にしなければ問題ない。『買いに行くと言った以上は買うんだろう』『食べると言ったら食べるのだろう』という他者への期待に基づくが、“相手は変わっていくもの”と考えるようになった」と返す。
のびおさんも、GADHAへの参加を通して「非常に変化を感じている」と話す。「入った当初は、話し合いをしようとしても妻が嫌がる。ケンカをしているつもりだったが、僕が一方的に言っていただけで、妻は『一度もケンカしたことはない』と言っていた。GADHAで学んだおかげで、やっとケンカできる関係になったと感じている」。
中川氏は「その行為がモラハラかどうかは、あまり大事ではない。関係性の中で、傷ついたり悲しんだりしたら、離れていいということが重要だ。加害者に大切なのは、相手がその言葉で傷つくかどうか。相手との関係を終えたくないと思えば、言葉を選ぶのが大事だ」との持論を述べた。(『ABEMA Prime』より)
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