将棋のヒューリック杯第96期棋聖戦五番勝負第1局が6月3日、栃木県日光市の「日光金谷ホテル」で行われ、藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、22)が杉本和陽六段(33)に144手で勝利した。防衛6連覇を目指す藤井棋聖が好発進し、シリーズ成績は1勝0敗に。注目の第2戦は18日、兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で行われる。
大熱戦の開幕戦を、藤井棋聖が制した。今期の棋聖戦では、タイトル戦初登場の33歳・杉本六段が挑戦者に。自身の師匠で故・米長邦雄永世棋聖が愛用していた和服をまとい、大舞台へと上がった。
振り駒で先手番となった杉本六段は、得意の三間飛車を志向。2九玉型のミレニアム対藤井棋聖の居飛車穴熊の対抗形の戦いとなった。序中盤では藤井棋聖が持ち時間をたっぷりと使って挑戦者の狙いを伺っていたものの、超難解な終盤戦が近づくにつれて持ち時間は接近。先手の杉本六段が端攻めから玉頭戦へ持ち込み、形勢不明の大激戦へと発展した。
藤井棋聖も攻勢に出る中、形勢不明の終盤戦へ。終盤の鬼と評される藤井棋聖は、陣形を引き締めると一気に先手へと畳みかけて一気にリードを拡大。粘り強い指し回しが持ち味の杉本六段を断ち切るように受けなしに追い込み、藤井棋聖が一瞬の切れ味で勝利を飾った。
藤井棋聖、杉本六段の終局後コメント




