“正確な統計”は難しい?
続けて、中室牧子氏の「生産や流通、加工段階での統計は正確に取れているのか」という質問に、折笠氏はこのように答えた。
「令和6年産の米を作るときの需要見込みは674万トンでスタートしている。ただ、去年は690万トンでスタートして、実際蓋開けてみたら需要量705万トンあった。それにもかかわらず今年は674万トンに減る予測をして、それに合わせて生産調整をしてきた。でも、需要量の見込みを人口×一人当たりの消費量の両方、推計値に推計値をかけて予測を出しているので、おそらくあたっていない」
「最初にどれぐらいの需要があるのかという出口と、どれぐらいの生産量が取れているのかという入口を正しく把握しない限り、まともな政策を打っていくのは厳しい」
では、生産量を把握するのは難しいのか。中室氏と折笠氏はこのように述べる。
「これは難しいかもしれない。例えば、作付面積は農家の自己申告だが、小規模農家が多いと自己申告の数字自体がずれてくるという指摘もある。これは農政に限った話ではなく、統計は自己申告で作られていることが多い。もう少し新しい統計の取り方を考えたほうがいい」(中室氏)
「衛星で(水田を)撮った上で、実際の収量の差がどれぐらい出るのかをAIに学習させれば、ある程度正確な量を毎年アップデートしていける。最新の技術を活用しながら、ある程度正確なデータを把握していくことが効果的」(折笠氏)
(『ABEMAヒルズ』より)
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